メルセデス・ベンツ専用車両の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:23 UTC 版)
「セーフティカー」の記事における「メルセデス・ベンツ専用車両の登場」の解説
そうしたセーフティカーに関わる種々の問題に主催者の国際自動車連盟(FIA)は頭を悩ませていた。 そんな中、セーフティカー車両のテレビへの露出度の高さに着目したメルセデス・ベンツは、FIAに対してセーフティカーの供給を申し出た。これにより1996年以降、AMG製の車両が整備費用などの維持費も含めて無償で提供され、公式セーフティカーとしてF1で利用されるようになった。同時にメディカルカーも96年、97年のメルセデス・ベンツ・C36AMG、98年のメルセデス・ベンツ・E60AMG以降はCクラスのワゴンモデルをベースとしてAMGより提供されているが、2022年からはメルセデスAMG・GT 4ドアクーペが用いられている。 全グランプリに2台が持ち込まれる。 ドライバーはFIAに雇用される形で年間を通して同一の人物が担当するようになり、1997年以降は1995年のイギリスF3チャンピオンオリバー・ギャビン、2000年以降はドイツツーリングカー選手権などでのレース経験があり、同種の車両の扱いに長けたベルント・マイレンダーが、その任に当たるようになった。 1997年のカナダGPにおいて、オリビエ・パニスの事故によりセーフティカーが導入された際は、レース続行が困難と判断されたことで、セーフティカーが隊列を先導したままレースが終了するという珍事となった。同様の例は2009年オーストラリアグランプリ(残り3周でセバスチャン・ベッテルとロバート・クビサが絡んでクラッシュ)、同年イタリアグランプリ(ルイス・ハミルトンがファイナルラップでクラッシュ)でも起きている。 セーフティカー用のこの車両は、AMG製の同名の市販車とは、外観は同じでも中身は基本的に別物である。特に、バリオルーフ採用モデル(SL,SLK)は開閉ユニットを外し、固定ルーフとしているため、車体構造から根本的に異なる。ただし、AMGはセーフティカーと同一性能の車両の販売も特注という形で受け付けている(ヨーロッパのみ)。 2021年からはアストンマーティンもセーフティカー及びメディカルカーの供給に参入しているが、メルセデスからの供給も継続され2社併用となっている。
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