メタテにおける図像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/16 17:19 UTC 版)
儀式用メタテの最もポピュラーな3つの図像要素は、トカゲ系、鳥、ジャガーで、猿も一般的であった。ユニークな特徴としては、人物像の欠如が挙げられる(頭部だけの像が唯一の例外)。女性ヌードや男性戦士など人間の姿は自立彫刻での主題になるが、石皿ではこれらが描かれていないようである。フライング=パネルのメタテにはしばしば擬人化された像が見られるが、これらは常に動物の頭(ワニが多い)である。 ニコヤ地域や大西洋流域では、石皿によくトカゲ系(特にクロコダイル、かアリゲーターまたはカイマン)の図像が使われた。この地において、トカゲは農業的な肥沃に関連した大地を象徴するものと考えられていた。ワニ頭で擬人化されたクロコダイル神(Crocodile god)は、チブチャ芸術における最古の最も顕著なテーマの1つであり、フライング=パネルのメタテにも彫刻されている。 コスタリカのフライング=パネルは1世紀-7世紀の時代とされている。しかしそこに描かれたクロコダイルの神々は、10-16世紀に金で作られたワニの神々と同じある特徴(U字に変形した肘や細長い指)を有している。その特徴は金細工においては合理的だが石の彫刻では奇妙な(不合理な)もので、これらのメタテはもっと後世になって、金の装飾品に触発されたものだとする説がある。 ハゲタカ、オオハシ、またはハチドリを表すと思われる、長く湾曲した嘴を持つ鳥も、また別の一般的な図像テーマとなっている。これもまたフライング=パネルにおける共通の要素であり、時には人間の頭をつつくところが描写された。
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