マックスファクターとは? わかりやすく解説

マックスファクター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 19:42 UTC 版)

マックスファクターMax Factor)は、ポーランド系ユダヤ人実業家マックス・ファクター英語版1877年 - 1938年)が、1909年に設立した化粧品メーカーである。

1991年からはプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の化粧品ブランドとなっていたが、現在は米国の香水メーカー・コティ英語版の化粧品ブランドになっている。

概要

1909年ロシアボリショイ・バレエのビューティーアドバイザーであったマクシミリアン・ファクトロヴィッチ(渡米後にマックス・ファクターと改名)がハリウッドアメリカロサンゼルス)に、化粧品・演劇用品店「マックスファクター」を開店したのが始まりである。ファクターはアメリカに渡った後、ハリウッド映画の黎明期に美容アドバイザーとして活躍し、生み出した数々のメークアップ製品は映画スターに愛用され、広く知られるようになった。マスカラやリップブラシなど今では馴染み深い化粧品の多くは、マックスファクター1世によって生み出されたものである。

また、「メークアップ」という言葉は、常に現状に満足できなかった彼の「Make Up(もっと美しい表情を)」の台詞が、後に「化粧する」という意味で使われるようになったものである。

マックスファクターは1986年以降、アメリカの化粧品会社、レブロンの傘下にあったが、1991年プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が1.5億ドルで買収した。

2009年にマックスファクターは、誕生から100周年を迎えた。

2009年、P&Gは、販売が低迷する本国アメリカ市場でのマックスファクター・ブランドの販売から 2010年の第1四半期をもって撤退、ロシアやイギリスを始めとする国際市場での販売に集中することを発表した[1]

そして2015年7月、P&Gがマックスファクター・ブランドを他の43ブランドと一緒に、125億ドル(約1兆5000億円)でコティに売却した[2]

日本での展開

マックスファクターは第二次世界大戦以前から日本に進出しており[3]1949年に東京に総代理店がおかれ、1953年に日本法人としてマックスファクター株式会社が発足している[4]

1971年滋賀工場を建設し、日本国内で販売される製品の生産と共に新製品の開発をおこなった[3]。1980年には無香料の化粧品シリーズ「リビングプルーフ」[3]酵母が発酵する過程で発生する成分を利用した「SK-II」を発売した[5]

1991年プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)がマックスファクターを買収し、その傘下となった[5][注 1]1993年、兵庫県神戸市六甲アイランドにP&G日本支社/テクニカルセンターを竣工し、本社も神戸に移転した。

2006年会社法施行で新たに誕生した会社形態である合同会社に改組され、P&Gマックスファクター合同会社となった。

2015年7月、P&Gはマックスファクターを含む43の美容ブランドを約125億ドル(約1兆5000億円)でコティ(Coty)に売却することに合意した[2]。P&Gマックスファクター合同会社は、2016年8月1日より社名をP&Gプレステージ合同会社に変更し、「マックスファクター」ブランドは店頭在庫のみで日本での販売を終了することを発表した[6]

脚注

注釈

  1. ^ 旧日本ヴイックスを前身とするP&Gヘルスケア株式会社を吸収合併した後、ヘルスケア事業限定で社内カンパニーP&Gヘルスケア事業部を設立したが、後に親会社のP&Gが事業を見直して、ヘルスケア事業を大正製薬レキットベンキーザー・ジャパンなどに事業譲渡し社内カンパニー制度を廃止したため、「P&Gヘルスケア」ブランドは消滅した。

出典

  1. ^ Max Factor Kisses America Goodbye Wall Street Journal 2009年6月5日
  2. ^ a b 米コティ、P&Gの美容ブランド取得で合意-125億ドル”. bloomberg (2015年7月9日). 2025年6月22日閲覧。
  3. ^ a b c 平田満男『世界の香水と化粧品物語』パルファム、1982年9月10日、327頁、ISBN 4-924447-91-9
  4. ^ 平田満男『男性フレグランス小事典』PARFUM編集局、1980年2月26日、74頁、 ISBN 4-924447-90-0
  5. ^ a b 増田由貴 (2022年10月5日). “日本発スキンケア「SK-II」 年間世界売上高10億ドル”. NIKKEIリスキリング. 2025年6月22日閲覧。
  6. ^ 「SK-II」発売元のP&Gマックス ファクター合同会社が社名変更”. WWD Japan (2016年8月24日). 2025年6月22日閲覧。

関連項目

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