ポリマーにおける水素結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 06:26 UTC 版)
「水素結合」の記事における「ポリマーにおける水素結合」の解説
多くのポリマーは、主鎖における水素結合によって強化されている。合成ポリマーの中では、最もよく知られた例はナイロンである。ナイロンでは、反復単位 (repeat unit) の中で水素結合が存在し、物質の結晶化において主要な役割を果たしている。アミド反復単位中のカルボニル基とアミノ基の間で水素結合が形成される。これらは効果的に隣接した鎖を結び付け結晶を作り、物質の強化を助ける。この効果は、水素結合が直鎖を横方向に安定化しているアラミド繊維で最大である。鎖軸は、繊維軸に沿って整列し、繊維を極めて硬くかつ強くしている。水素結合はセルロースや、天然において様々な形で存在している木材や綿、亜麻などの天然繊維等のセルロース派生物の構造においても重要である。 水素結合ネットワークは、天然および合成ポリマーを共に大気中の湿度のレベルに敏感にしている。これは、水分子が表面から拡散し、水素結合ネットワークを壊すためである。ナイロンはアラミドよりも感受性が高く、ナイロン6 (nylon 6) はナイロン11よりも感受性が高い。
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