ポリプロリンIIヘリックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 13:50 UTC 版)
「ポリプロリンヘリックス」の記事における「ポリプロリンIIヘリックス」の解説
ポリプロリンIIヘリックスは二面角 (φ,ψ) が (-75°,150°) であることとペプチド結合がトランス型であることによって定義付けられる。トランス型のポリペプチドヘリックスの回転角Ωは次の公式で与えられる。 3 cos Ω = 1 − 4 cos 2 ( ϕ + ψ 2 ) {\displaystyle 3\cos \Omega =1-4\cos ^{2}\left({\frac {\phi +\psi }{2}}\right)} (φ,ψ) = (-75°,150°) を代入するとΩ=-120°が得られ、ヘリックスが左巻きで3残基で1巻きすることが分かる。また1巻き当たり軸方向に3.1Å進む。この構造は、主にプロリン、ヒドロキシプロリンとグリシンから構成されるコラーゲンの構造といくらか似ている。ポリプロリンIIヘリックスはSH3ドメインと結合しており、この結合はタンパク質間相互作用などに重要な役割を果たす。 ポリプロリンIIヘリックスは他の多くのヘリックス構造と異なってヘリックス内に水素結合を持たず、比較的開いている。アミド基とカルボキシル基の間の距離は約3.8Åとかなり離れていて、しかも反対の方向を向いている。さらにこの鎖の中には水素原子の供給源もない。 ポリプロリンIIヘリックスの二面角 (-75°,150°) は、タンパク質の中でよく見られる。βシート の(-135°,135°) と比較しても、ラマチャンドランプロットでポリプロリンIIヘリックスの点の周りには多くの点が集まっている。例えば、(-75°,150°) という角度はβターンでも見られる。一方、逆数を取った (75°,-150°) という角度は、アキラルなグリシンの近く以外ではほとんど見られない。ポリプロリンIIヘリックスのプロリンをグリシンに置換したアナログはポリグリシンIIヘリックスと呼ばれる。
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