ホルス名の象徴的な意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 14:31 UTC 版)
「五重称号 (古代エジプト)」の記事における「ホルス名の象徴的な意味」の解説
ホルス名の意義はまだ議論が続いているが、セレクの上(または横)に描かれた神を象徴していることは明らかである。ほとんどの場合、描かれた神はホルスであった。ハヤブサ(または鷹)が翼を大きく広げ空高く舞い上がり、エジプト全土を俯瞰することを表すホルス名は、遍在性と広大な力を表していると言われている。さらに、エジプト初期王朝時代の王のホルス名は、デン王の"殺戮者"(Slaughterer)のように、非常に攻撃的であり、これはホルス神の加護によって、ファラオがが敵に打ち負かされないようにという願いを明確に表している。第二王朝では、王のホルス名は平和を求める性質を持ち始め、秩序と調和に満ちた揺るぎない世界を支配したいというファラオの願いを表現するようになった。いくつかのケースでは、特に第2王朝で少なくとも2つのホルス名がそれまでの伝統と矛盾しているようである。 最も顕著な例は、セト・ペルイブセン王であり、セレクの上のハヤブサがセト神を象徴する動物(セト・アニマル)に置き換えられている(いわゆるセト名)。これによって、王は王権の守護神をホルスからセトに変更したのである。 これより後の王のカセケムイはハヤブサとセト・アニマルをともにセレクの上に置いた。 このような王がホルスとセトを対等に扱うような、特徴的なセト信仰の現れは第2王朝にしか見られない。このようにした理由として神話のホルスとセトの争いの伝説の元となった権力抗争があったのではないかという考察がなされている。
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