ペシタ訳の内容・様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 02:04 UTC 版)
旧約聖書のペシタ訳は原始マソラ本文に似たヘブライ語本文に大いに基づいた独自の翻訳である。これは言語学的・釈義的にアラム語タルグムとの類似が見られるが、それを起源とする思想が現存していない。いくつかの節の中で、翻訳家は明らかにギリシャ語セプトゥアギンタ訳を使っている。セプトゥアギンタ訳の影響は、おそらく典礼で使用するためと思われるが、『イザヤ書』や『詩編』の中で特に強く現れている。外典は、『トビト記』がペシタ訳の初期版に存在しないことと、『シラ書』の翻訳がヘブライ語本文に基づいているのを除き、そのほとんどがセプトゥアギンタ訳から翻訳されている。『バルク書』第二も含んでいる。 新約聖書のペシタ訳にはディアテッサロンと古シリア語訳の慣習の延長が見られる。そこには(特に使徒行伝で明らかなように)生き生きとした「西方の」翻訳術が示されている。新約聖書のペシタ訳は5世紀の複雑な「ビザンティン」書物のいくつかと結びついている。ペシタ訳固有の一つの特徴は『ペテロ第二』、『ヨハネ第二の書簡』、『ヨハネ第三の手紙』、『ユダの手紙』、『ヨハネの黙示録』が欠けていることである。現代のシリア語の聖書はペシタ訳本文改訂版にこれら五つの書の6、7世紀の翻訳を加えたものである。
※この「ペシタ訳の内容・様式」の解説は、「ペシタ訳」の解説の一部です。
「ペシタ訳の内容・様式」を含む「ペシタ訳」の記事については、「ペシタ訳」の概要を参照ください。
- ペシタ訳の内容・様式のページへのリンク