ベンラリズマブとは? わかりやすく解説

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ベンラリズマブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 23:16 UTC 版)

ベンラリズマブ?
モノクローナル抗体
種類 全長抗体
原料 ヒト化 (マウスより)
抗原 CD125
臨床データ
販売名 ファセンラ, Fasenra
法的規制
  • JP: 生物由来製品 , 劇薬 , 処方箋医薬品
  • US: -only
投与方法 皮下注射
識別
CAS番号
1044511-01-4 
ATCコード R03DX10 (WHO)
DrugBank DB12023 
ChemSpider none 
UNII 71492GE1FX 
KEGG D09874  
化学的データ
化学式 C6492H10060N1724O2028S42
分子量 146.0 kg/mol
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ベンラリズマブ (Benralizumab, 製剤名 ファセンラ皮下注30mgシリンジ )は、協和発酵キリンが創生し、 アストラゼネカ[1]の子会社MedImmuneが喘息治療用に開発したモノクローナル抗体。 インターロイキン5受容体 ( CD125 )のα鎖に結合する[2][3]

ベラリズマブ、SIROCCOおよびCALIMAの2つの第3相臨床試験が、2016年に主要評価項目を満たすことを報告した[4][5]。2017年11月に米国FDAにより、重度の好酸球性喘息の治療薬として承認された。 [6]

効能・効果

  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)[7]

副作用

重大な副作用として、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、喉頭浮腫、アナフィラキシー反応等)等の重篤な過敏症の出現が知られている。遅発反応が起こる場合もある[7]

薬理

ベンラリズマブは、好酸球及び好塩基球の細胞表面に特異的に発現しているヒトIL-5Rαに特異的かつ高親和性で結合することで、IL-5の好酸球に対する作用を抑制する。

ベンラリズマブはFcドメインのフコースを欠損しているため、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)等のエフェクター細胞上に発現するFcγ受容体 (FcγR) であるヒトFcγRIIIa (CD16a) に対して高い親和性を示す。 その結果、抗体依存性細胞傷害 (ADCC) 活性が増強され、細胞毒性を有するメディエーター(perforin、proteases、granzyme) を放出し、IL-5Rαを発現する好酸球及び好塩基球のアポトーシスが誘導される。

脚注


  1. ^ https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018041801.html
  2. ^ STATEMENT ON A NONPROPRIETARY NAME ADOPTED BY THE USAN COUNCIL : BENRALIZUMAB”. 2021年10月28日閲覧。
  3. ^ Catley, M. C. (2010). “Asthma & COPD--IQPC's Second Conference”. IDrugs: the investigational drugs journal 13 (9): 601–604. PMID 20799138. 
  4. ^ AstraZeneca's benralizumab reduces asthma exacerbations up to 51% in two late-state studies (NASDAQ:AZN) | Seeking Alpha” (英語). seekingalpha.com. 2021年10月27日閲覧。
  5. ^ Nair, Parameswaran; Wenzel, Sally; Rabe, Klaus F.; Bourdin, Arnaud; Lugogo, Njira L.; Kuna, Piotr; Barker, Peter; Sproule, Stephanie et al. (2017). “Oral Glucocorticoid–Sparing Effect of Benralizumab in Severe Asthma”. New England Journal of Medicine 376 (25): 2448. doi:10.1056/NEJMoa1703501. PMID 28530840. 
  6. ^ “Fasenra (benralizumab) receives US FDA approval for severe eosinophilic asthma”. AstraZeneca. (2017年11月14日). https://www.astrazeneca-us.com/media/press-releases/2017/fasenra-benralizumab-receives-us-fda-approval-for-severe-eosinophilic-asthma-11142017.html#! 
  7. ^ a b ファセンラ皮下注30mgシリンジ 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年10月27日閲覧。

ベンラリズマブ(benralizumab ファセンラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 01:33 UTC 版)

分子標的治療」の記事における「ベンラリズマブ(benralizumab ファセンラ)」の解説

IL-5受容体α抗体あり気管支喘息治療用いられる

※この「ベンラリズマブ(benralizumab ファセンラ)」の解説は、「分子標的治療」の解説の一部です。
「ベンラリズマブ(benralizumab ファセンラ)」を含む「分子標的治療」の記事については、「分子標的治療」の概要を参照ください。

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