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ベリリア【beryllia】

読み方:べりりあ

酸化ベリリウム


酸化ベリリウム

(ベリリア から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/24 05:12 UTC 版)

酸化ベリリウム
識別情報
CAS登録番号 1304-56-9
PubChem 14775
RTECS番号 DS4025000
特性
化学式 BeO
モル質量 25.0116 g mol−1
外観 無色結晶または白色粉末
密度 3.02 g cm−3, 固体
融点

2570℃

沸点

3900℃

への溶解度 0.2 g/1dm3
構造
結晶構造 六方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −609.6 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 14.14 J mol−1K−1
標準定圧モル比熱, Cpo 25.52 J mol−1K−1
危険性
EU分類 Carc. Cat. 2
猛毒 (T+)
刺激性 (Xi)
EU Index 004-003-00-8
NFPA 704
0
4
0
Rフレーズ R25, R26, R36/37/38, R43, R48/23, R49, R51/53
Sフレーズ S45, S53, S61
引火点 不燃性
関連する物質
関連物質 酸化マグネシウム
酸化カルシウム
酸化ストロンチウム
酸化バリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化ベリリウム(さんかベリリウム、beryllium oxide)は、化学式 BeO で表されるベリリウム酸化物である。ベリリア (beryllia) とも呼ばれる。

製法

水酸化ベリリウムあるいは炭酸ベリリウムを加熱すると分解し、生成する[2][3]

硝酸ベリリウムを加熱分解しても生成する[4]

性質

塩化ナトリウム型構造である他のアルカリ土類金属酸化物と異なり、酸化ベリリウムの結晶は六方晶系ウルツ鉱型構造で、ベリリウムおよび酸素原子は4配位である[2][5]。その格子定数はa = 2.66Å、c = 4.37Åである[2]複屈折を示し、屈折率は通常光線に対し、1.719、異常光線に対し1.733である。

酸化アルミニウムとも類似し、強熱した結晶性のものは水、酸およびアルカリに不溶であるが、濃硫酸および濃塩酸と加熱すると硫酸ベリリウムおよび塩化ベリリウムをそれぞれ生成して溶解する。またモース硬度も9度とコランダムに匹敵する。フッ化水素酸にはフルオロ錯体を生成して溶解する。

用途

酸化ベリリウムはロケットエンジンの材料、触媒原子炉の制御材および中性子の反射材として用いられる。また酸化ベリリウムは優れた電気絶縁体でかつ熱の良導体であるため半導体部品の材料として用いられる。

脚注・参考文献

  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ a b c 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  3. ^ Egon Wiberg, Arnold Frederick Holleman (2001) Inorganic Chemistry, Elsevier
  4. ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成I』 丸善、1976年
  5. ^ F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年


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