プリアモスの伝令使
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 08:30 UTC 版)
このイーダイオスは、トロイアの王プリアモスの伝令使である。トロイア戦争では、ヘクトールと大アイアースの両軍を代表した一騎討ちが日没に達しても決着がつかなかった際に、アガメムノーンの伝令使タルテュビオスとともに戦いを止めた。その夜、イーリオスではアンテーノールがヘレネーを返還すべきという提言をしたのに対し、パリスはこれを拒否したが、ヘレネー以外のアルゴスから持ち去ったものを返却することに加えて、自身が持つ財宝を贈ることを提案した。そこでイーダイオスはプリアモスの命でギリシア陣営にパリスの言葉と、遺体を火葬し終わるまで休戦するという提案を伝えた。イーダイオスはギリシアの武将たちにパリスの言葉を伝えた際には「そうなる前にパリスがこの世から消えておけば良かったのであるが」という言葉を発している。これに対してディオメーデースは、パリスからも、ヘレネーからも、いかなる財宝を受け取ってはならないと主張した。その後、アガメムノーンの休戦の提案に賛成する言葉をトロイア側に伝えた。イーダイオスがイーリオスに帰還してギリシア人の意向を伝えると、両軍ともに戦死者の火葬に取りかかった。 プリアモスがヘクトールの遺体の返還を求めて密かにアキレウスの陣営を訪れた際には、プリアモスが乗った四輪車の御者を務めた。
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