プラスチックの多用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 07:04 UTC 版)
フレームや、トリガーとその周辺機構、弾倉外側がプラスチック製となっている。他にも、強度上問題が無い部分にプラスチックが使われている。成型の容易さから生産性が向上し、軽量になったほか、寒冷地で使用する場合、冷えた金属に皮膚が張り付く事故を防ぐことができる。 グロックシリーズに使われているプラスチックはポリマー2と呼ばれる材質で、ガストン・グロックの発明品である。200℃から-60℃の環境下でもほとんど変質しないと言われている。一般的なプラスチックよりも柔らかく、相当な強度を誇る。しかし、成型に難があり、日用生活品などには向かない。なお、グロック社は独自の方法でフレームの成型をしている。フレーム内にはスライド(遊底)を保持するための金属部品が鋳込まれているため、プラスチック製のフレームは金属製のスライドとは接触していない。 フレームが軽量な素材構成の場合、全体の重量が軽くなる反面で射撃時の衝撃や反動は大きくなるが、グロックのフレームに採用されている素材は、ある程度の柔軟性を持たせることで衝撃を緩和している。また、銃口とグリップの距離(ボアライン)が近いため、他の同クラスの銃に比べ跳ね上がりは少なく、移動距離の短いトリガーとともに連射をしやすくしている。 ただ、発売されて30年以上経過しているため、古い個体ではプラスチックの経年劣化が現れているとの指摘もある。さらに、アンダーレール付きの第3世代フレーム採用機種では、フラッシュライトやレーザーサイトを過度な締め付けで取り付けた場合、フレームが歪み、作動不良を起こす例があったことから、金属製フレームという、グロックの特徴を捨てたカスタムパーツも存在する。この問題はグロック社純正の第4世代フレームでは解消されている。
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