ブラックホール・ガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:15 UTC 版)
「デッカードブラスター」の記事における「ブラックホール・ガン」の解説
シド・ミード版、およびスティーブン・デーン版のデザインは、当初想定されていた“ブラックホール・ガン”のアイディアに元づいて発注されている。リドリー・スコットは従来のSF映画でよく用いられる「明るい光線を発射するレーザーピストル」という表現を避けたいと考えており、それに代わる全く新しい表現を求めていた。これに対し、特殊効果監修のデイヴィッド・ドライヤー(David Dryer)が考案したものが、“ブラックホール・ガン”である。 これは「強力な分子破壊ビームを発射し、目標に命中すると内部に浸透して命中箇所を分子レベルで破壊する」というもので、画面上ではまったく光を発しない「黒いビーム(Black beam)」が銃から目標に発射され、命中すると身体のどこに当たっても目標は消滅する、という表現が考案された。この方式は、派手な血飛沫や出血を描く必要がない、という点でも良案とされた。 しかし、撮影が開始され、映画の冒頭、リオンがホールデンを銃撃するシーンでこの設定に基づいたシーンを試験的に制作したところ、「ただの暗い筋にしか見えず、劇的効果が得られない」と判断され、このアイディアは構想と試験的制作のみに終わった。 なお、この設定を表現するために美術部門には特別な大型エアーガンの製造が依頼された。また、射撃シーンでは強烈な発光がポストプロダクションによる後入れのエフェクトではなく実際に巨大なフラッシュ用電球を用いて表現され、リオンに撃たれたホールデンが背後のセットを破壊しながら激しく吹き飛ばされるシーンがスタントマンを用いて撮影されている。
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