ブラック–ジェンセン–ショールズの方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 11:28 UTC 版)
「ファーマ–マクベス回帰」の記事における「ブラック–ジェンセン–ショールズの方法」の解説
フィッシャー・ブラック、マイケル・ジェンセン(英語版)、マイロン・ショールズが1972年に発表した論文ではファーマ–マクベス回帰とは異なる2段階回帰法が用いられている。ブラック–ジェンセン–ショールズの方法では、1段階目の回帰はファーマ–マクベス回帰と同じ時系列方向への回帰だが2段階目の回帰は標本平均に対しての回帰となる。つまり R i e ¯ = 1 T ∑ t = 1 T R i , t e , i = 1 , … , N {\displaystyle {\overline {R_{i}^{e}}}={\frac {1}{T}}\sum _{t=1}^{T}R_{i,t}^{e},\quad i=1,\dots ,N} として以下のクロスセクション回帰式に対する回帰を行う。 R i e ¯ = γ 0 + β ^ i γ 1 + ϵ i ¯ , i = 1 , … , N {\displaystyle {\overline {R_{i}^{e}}}=\gamma _{0}+{\widehat {\beta }}_{i}\gamma _{1}+{\overline {\epsilon _{i}}},\quad i=1,\dots ,N} ここで ϵ i ¯ {\displaystyle {\overline {\epsilon _{i}}}} は誤差項で、ブラック–ジェンセン–ショールズにおいてCAPMの実証が行われたためファクターは一つとしている。すると、CAPMが正しければ γ 0 = 0 {\displaystyle \gamma _{0}=0} かつ γ 1 = E [ R m ] {\displaystyle \gamma _{1}=\operatorname {E} [R_{\mathrm {m} }]} である。ここで E [ R m ] {\displaystyle \operatorname {E} [R_{\mathrm {m} }]} はマーケットリスクプレミアムである。ブラック–ジェンセン–ショールズではマーケットリスクプレミアムの推定値として市場インデックスの超過リターンの標本平均が用いられている。この仮説に対し、通常の回帰分析における仮説検定を行うことでCAPMの妥当性をブラック–ジェンセン–ショールズは検証した。彼らの検証結果は芳しくなく、この結果をきっかけとしてゼロベータCAPMというCAPMを拡張した理論が生まれている。
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