フェリクロムポジションからもたらされたその後の転用技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 05:04 UTC 版)
「フェリクロムポジション」の記事における「フェリクロムポジションからもたらされたその後の転用技術」の解説
1983年に松下電器産業(現・パナソニック)がコンパクトカセット用カセットテープとして開発した「オングローム」ブランドで投入したハイポジション専用の蒸着テープが存在した。通常の塗布層の上にさらに金属コバルトを蒸着させるという、発想自体は極めてフェリクロムポジション的な製品だった。フェリクロムポジションとの相違点は、低域 - 中高域のテープ特性の大部分は下の塗布層に由来しており、上の蒸着層は超高域専用となっている。そのために高域特性を大幅に改善したものの、塗布層自体の性能やベースフィルムへの塗布に必要なバインダーの耐久性が他社の同価格帯と比較して見劣りしていたこと、この当時の普及クラスのメタルポジション用カセットテープをも凌ぐ独特の高域特性のためデッキによって相性の相違が激しく、また製造コストの高騰からくる価格設定の高さもあり、1988年末までに生産終了となった。この技術は、蒸着層の超高域信号(ビデオの映像信号)への対応能力を買われて、後にビデオムービーカメラ用ビデオテープの技術として活かされることとなった。
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