フィクションにおける豊島屋の白酒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/19 14:44 UTC 版)
「豊島屋の白酒」の記事における「フィクションにおける豊島屋の白酒」の解説
豊島屋の白酒は、江戸を舞台とする小説に時折登場する。その例としては、佐伯泰英の『鎌倉河岸捕物控』シリーズ、平岩弓枝の『御宿かわせみ』シリーズが挙げられる。 佐伯が『鎌倉河岸捕物控』を書き始めたきっかけは、まさに『江戸名所図会』の「鎌倉町豊島屋酒店白酒を商ふ図」を見たことだった。書き始めの頃、佐伯は豊島屋が現存して商売を続けていることを知らなかった。物語が進んでいくうちに、1通の手紙が佐伯のもとに届いた。手紙の差出人は、後に豊島屋16代目当主となる吉村俊之だった。「あの舞台はうちです」という内容に佐伯は驚いたが、それは頭の中の「平成と江戸は別物」という思い込みのせいであった。この手紙が契機となって、佐伯は現代と江戸が繋がっていることを再認識し、江戸の存在がさらに身近なものになったという。 『鎌倉河岸捕物控』の第一話『仇討ち』では、物語に豊島屋の白酒売りが登場する。そして登場人物の「しほ」は豊島屋の看板娘という設定であり、後に続くシリーズを通して重要な役割を果たすことになる。 平岩の『御宿かわせみ』では、『筆屋の女房』(『夜鴉おきん 御宿かわせみ12』に収録)と『秘曲』(『秘曲 御宿かわせみ18』の表題作)で豊島屋の白酒に触れている。そのうち『筆屋の女房』は、白酒にまつわる虚言から始まる悶着を描き出した作品である。
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