ビッディングシステムとコンベンション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 06:42 UTC 版)
「コントラクトブリッジ」の記事における「ビッディングシステムとコンベンション」の解説
パートナー同士は自分の持っている手についてお互いに情報交換することが許されているが、これは下記の2つによって制限される。 情報交換は、ビッディングもしくはカードプレイによってのみ行うことができ、そのほかの方法によって行うことは許されない。 個々の情報交換手段に対し、あらかじめどういった意味を持たせる取り決めをしたか、相手チームにも説明する義務がある。 したがって、何を目的として情報交換しているかは、情報交換と同時に相手サイドにもある程度は知られることになる。 パートナー同士で予め合意した、コールが意味する様々な取り決めを集めたものを、ビッディングシステムと呼ぶ。ビッディングシステムには、ゴーレン、エーコール(en:Acol)、スタンダードアメリカン(en:Standard American)、プレシジョン(en:Precision Club)、JCBLスタンダードなど、様々なものがあり、ある名称が別のシステムを包含しているものだったり、同じ名称でも細部の変更がある場合がある。 日本で主に使われているJCBLスタンダードにも4枚メジャーと5枚メジャーと呼ばれるバリエーションがあり、微妙に条件が違っている。 ビッドの際、宣言したトリック数や切り札スートとは全く違う意味を込める場合があり、これをコンベンションと呼ぶ。多くのコンベンションが開発されているが、有名なのはステイマン(en:Stayman convention)、ジャコビ・トランスファー(en:Jacoby transfer)、ブラックウッド(en:Blackwood convention)の各コンベンションである。 例1 ステイマンを採用している場合には、オープナー(最初にビッドしたパートナー)が1NTでビッドを開始した時にレスポンダー(オープナーのパートナー)が2♣をコールすることに関して、チーム内では「♣を切り札にしたい」という意味を持たせずに「♥や♠を最終的に切り札にしたいと持ちかけた」という意味を持たせる。オープナーは♥や♠の枚数で多いものがあるならそのスートの2の代のコールで、もし両方ともない場合は2♦のコールで返答する。2NTのオープン(ビッドの開始)でも同様の取り決めをすることができ、この場合は3の代のコールを同様に使う。 例2 ジャコビ・トランスファーを採用している場合、オープナーが1NTとビッドした時にレスポンダーが2♦をコールすると「♦を切り札にしたい」と宣言したのではなく、「♥を切り札にしたい(5枚以上ある)」と情報を述べたことにする。オープナーは2♥もしくはそれ以上の♥で返答する。同様な状況でのレスポンダーの2♥コールは♠に関する情報として用いる。 例3 ブラックウッドを採用している場合、ある状況で4NTというビッドがあった場合は「4NTでプレイしたい」と宣言したのではなく「スラム勝ちを狙うためにAの枚数を問うている」とする。パートナーは5の代のスートでAの枚数を返答すると決められている。
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