パルプ作家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 08:24 UTC 版)
パルプ・マガジンが抑えたコストは紙質だけではなく作家への稿料も同様だった。多くの有名な作家が大成する前にパルプ・マガジンで仕事をし、同様にすでに名の売れた作家も落ち目になって小銭を稼ぎたいときにパルプ・マガジンに書いた。初期のパルプ・マガジンでは、わずかばかりの原稿料でも自分の原稿が活字に刷られることに満足してしまうような、アマチュアに書かせることさえしていた。 生計のほとんどをパルプ・マガジンの仕事でまかなうパルプ作家は速記者やタイピストを使って口述筆記をさせることもあった。アプトン・シンクレアはパルプ作家時代に休み無しに一日あたり8000語の原稿を二人の速記者を雇って仕上げていたという。一方出版社は同じ号に同じ作家の物語を複数掲載し、しかも内容に変化をつけて見せるために作家に複数のペンネームを使い分けさせた。パルプ・マガジンで仕事をする作家にとってのメリットの一つは稿料が原稿との授受と同時に支払われたことである。作家は実際の出版の1ヵ月前から1年前に原稿を書くことがあるので、稿料支払い時期の違いは大きかった。
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