パルプ化工程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 01:03 UTC 版)
詳細は「パルプ」を参照 パルプは、その後の工程と同じ工場の中で製造する場合と、別の工場で製造する場合がある。パルプ製造とその後の工程を両方とも行う工場は、紙パルプ一貫工場と呼ばれる。 洋紙の製造過程では多くの場合、木材からパルプを製造する。木材から製造するパルプは、製造方法により機械パルプと化学パルプに大別される。現在、化学パルプでは、クラフトパルプが一般的である。また、古紙から作るパルプも多く用いられており、古紙脱墨パルプと呼ばれる。白い紙を作る場合、パルプ製造過程でパルプを漂白する。漂白したパルプは、晒しパルプと呼ばれる。 近代的な工場では一般に蒸解釜が使われるが、1950年代までは蒸気加熱したチップを蒸解釜に仕込む1ベッセル方式が主流であった。スウェーデンのカミヤ社が開発した連続式パルプ化方式が実用化されたあとは現在に至るまでチップを蒸気加熱後に、浸透タワーを経由してから蒸解釜に仕込む2ベッセル方式が主流となった。木材からパルプを取り出すにはまず、パルプを煮て柔らかくする必要があり、長時間高温・高圧で煮込む。この方式には釜の大きさに応じた量を1回ごとに煮込む「バッチ式」と、連続して煮込む「連続式」があるが、チップを縦に細長い円筒容器の頂部から投入し、薬液と混入し煮たのち、底部から連続的に取り出す方式が連続蒸解釜であり、カミヤ式連続蒸解釜が主流となった。2ベッセル方式のメリットは、薬液浸透の難しい樹種にも蒸解薬液(白液)をチップに充分にしみ込ませることが可能である点であり、1970年代に開発された。製紙会社によく見る、巨大な塔はこの蒸解釜である。
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