パルサーの自転速度の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 14:33 UTC 版)
「ミリ秒パルサー」の記事における「パルサーの自転速度の限界」の解説
最初のミリ秒パルサーであるPSR B1937+21は、1982年にドナルド・バッカー(英語版)らによって発見された。1秒間に約641周の自転速度で、これまで200個程度発見されたミリ秒パルサーのうち2番目の速さである。2005年に発見されたPSR J1748-2446adは、2012年時点で最も自転速度の速いパルサーであり、1秒間に716周である。 中性子星の構造と進化に関する現在の理論は、自転速度が1秒間に1500回程度を越えると自壊すると予測し、1秒間あたり1000回を超えると、重力放射により降着速度よりも速くエネルギーを失うと予測する。 しかし、2007年初め、RXTEとインテグラルは、1122Hzで自転する中性子星XTE J1739-285を発見した。この結果は、統計的にはあまり有意ではなく、現在も結論は得られていない。現在でも重力放射は自転を減速させると考えられており、さらに、1秒間に599回転するX線パルサーIGR J00291+5934は、将来重力放射を検出しうる第一候補となっている(ほとんどのX線パルサーの自転は、1秒あたり300回程度である)。
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