パラスペックル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
詳細は「パラスペックル(英語版)」を参照 Foxらによって2002年に発見されたパラスペックル(英語版) (paraspeckle) は、核のクロマチン間領域の不定形の区画である。最初に報告されたのはHeLa細胞においてであり、その核には一般的に10個から30個存在するとされた。現在では、全ての初代培養細胞、形質転換細胞株、組織切片に存在することが知られている。その名称は核での分布に由来するもので、"para"は"parallel"の略、"speckle"は常に近接して存在する核スペックルを指している。 パラスペックルは動的な構造で、細胞の代謝活性の変化に反応して変化する。転写に依存的で、RNAポリメラーゼIIによる転写がないときにはパラスペックルは消失し、全ての関連するタンパク質の構成要素 (PSP1、p54nrb、PSP2、CFI(m)68、PSF) は核小体で三日月型のキャップ構造 (perinucleolar cap) を形成する。この現象は細胞周期中でも確認されている。パラスペックルは間期を通じて存在し、有糸分裂中も終期を除いて存在する。2つの娘細胞の核が形成される終期にはRNAポリメラーゼIIによる転写が行われないため、タンパク質構成要素は代わりに perinucleolar cap を形成する。
※この「パラスペックル」の解説は、「細胞核」の解説の一部です。
「パラスペックル」を含む「細胞核」の記事については、「細胞核」の概要を参照ください。
- パラスペックルのページへのリンク