バドワイザーとの関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 09:27 UTC 版)
ブドヴァイゼル・ブドヴァルとアメリカ合衆国のビール会社、アンハイザー・ブッシュ社のバドワイザーは商標をめぐり世界各国で争っている。 1876年にアメリカのドイツ系移民のアドルファス・ブッシュが、自らが発売したピルスナータイプのビールに、欧州で有名なビール産地「ブドヴァイス」にあやかって勝手にバドワイザー (Budweiser) と命名し、米国国内での商標を得た。当時欧州でブドヴァイゼルブランドのビールを販売していたブジェヨヴィツェ市民醸造およびチェコ合同醸造とアドルファス・ブッシュとの間には関係はなかった。20世紀に入って両社の間で商標権を巡る訴訟に発展。米アンホイザー・ブッシュ・ブルーイング・アソシエーション社(アンハイザー・ブッシュ社の前身)とブジェヨヴィツェ醸造およびチェコ合同醸造の間で、1911年および1939年の2回にわたって合意が成立し、チェコ側の2社は北米大陸および米保護領に限って「Budweiser」の商標権を放棄した。 現在、ヨーロッパの主な国ではバドワイザーはその商標を使うことが認められず「Bud」(バド)「Busch」(ブッシュ)の名前で販売されている。逆にアメリカ、カナダではブドヴァイゼル・ブドヴァルは「Czechvar」(チェコヴァル)、ブドヴァイゼル・ベルゲブロイは"Budweis City Bier"(ブドヴァイス市のビール)を略した「BB Bürgerbräu」(BBベルゲブロイ)の名前で販売している。 日本では、「バドワイザー」(Budweiser)はアンハイザー・ブッシュ社の登録商標であるが、チェコ側の商標権放棄を北米大陸および米保護領に限るとした1911年および1939年合意の有効性が認められており、米国社製バドワイザーとの誤認の可能性がないかぎり、「ブドヴァイゼル・ブドヴァル」(Budweiser Budvar)、「ブジェヨヴィキ・ブドヴァル」(Budějovický Budvar)と記されたブジェヨヴィツェ・ブドヴァル社製ビールの輸入・販売は制限されない。 アンハイザー・ブッシュ社は世界中でバドワイザーの名で販売するため、ブドヴァイゼル・ブドヴァル国営会社に商標の買い取りを申し出たがブドヴァル側はこれを拒否している。アンハイザー・ブッシュ社がスポンサーとなった2006年FIFAワールドカップ・ドイツ大会でバドワイザーは球技場内の広告を「Bud」および中国語名の「百威」とした。
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