バイナリ配布問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/04 07:33 UTC 版)
2000年11月から、MP3の特許ライセンス問題のために実行可能形式およびライブラリ形式での配布が中止された。 そのため、利用希望者はソースコードをダウンロードした上で、自力でコンパイル作業を行う必要があった。プログラミングの知識が無い一般利用者にとって、これは実質的な「配布停止」であった。 結局、2002年3月にMinGWを元にしたコンパイル環境を同梱し、インストール時に半自動的に実行バイナリを生成する方法に変更され、一般にはこれをもって「配布再開」と認識されている。しかし現在でもバイナリ形式での配布は行われていない。 個々の利用者が動作環境で実行ファイルを作成するのだから、それらは私的な生産物であり特許侵害とはならない、という考え方であるが、ダウンロードしたファイルを実行すればほぼ自動的にバイナリが得られる点で、バイナリを配布しているのとほとんど手間が変わらず、この手法をグレーゾーンであるとする意見もある。もっともこの意見では、再配布可能で自動実行できるコンパイラが存在しなければ、ソースコードを配布する事は「グレー」ではなかったのか、といった点で論拠が不明瞭である。 また、名目としても、実問題の処理最適化の研究としてのエンコーダ配布と位置づけられた。利用者がベンチマーク結果を製作者側に送付する(機能として備わっている)ことで、研究に協力している、という体裁を取っていた。これにより、午後のこ〜だはmp3のアルゴリズムを業として実施するものではない、という建前になっていた。もっとも、午後のこ〜だの開発成果については情報処理学会で報告が行われるなど、ただの建前ではない。情報処理学会研究報告
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