ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/20 07:18 UTC 版)
| ハーパーズ・フェリー級 ドック型揚陸艦  | 
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|---|---|
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| 基本情報 | |
| 艦種 | ドック型揚陸艦(LSD) | 
| 命名基準 | 歴史上の史跡。一番艦はウェストバージニア州ハーパーズ・フェリーに因む。 | 
| 建造所 | エイボンデール造船所 | 
| 運用者 |   | 
    
| 建造期間 | 1991年 - 1998年 | 
| 就役期間 | 1995年 - 就役中 | 
| 計画数 | 12隻 | 
| 建造数 | 4隻 | 
| 前級 | ホイッドビー・アイランド級 | 
| 次級 | LX(R) | 
| 要目 | |
| 軽荷排水量 | 11,251-11,604 t | 
| 満載排水量 | 16,088-16,601 t | 
| 全長 | 185.8 m | 
| 最大幅 | 25.60 m | 
| 吃水 | 6.04 m | 
| 機関方式 | CODAD方式 | 
| 主機 | コルト-ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジン×4基 | 
| 推進器 | 可変ピッチ・プロペラ×2軸 | 
| 出力 | 定格8,400 bhp / 最大10,400 bhp | 
| 最大速力 | 22ノット | 
| 航続距離 | 8,000海里(18kt巡航時) | 
| 乗員 |  
      
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| 兵装 |   ※後日装備  | 
    
| 搭載艇 | #輸送揚陸機能 | 
| C4ISTAR |  SSDS Mk.1 ※後日装備  | 
    
| レーダー | |
| 電子戦・ 対抗手段  | 
       | 
    
ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦(ハーパーズ・フェリーきゅうドックがたようりくかん、英語: Harpers Ferry-class dock landing ship)は、アメリカ海軍のドック型揚陸艦の艦級[1]。
先行するホイッドビー・アイランド級(LSD-41級)の貨物積載能力を強化したサブクラス(Cargo variant)であるため、LSD-41 CV級とも称されるほか、同級の一部として扱われることもある[2]。
設計
上記の通り、本級はホイッドビー・アイランド級の改正型である。基本設計は同級のものが踏襲されており、90パーセントの共通性があるといわれている[3]。
能力
輸送揚陸機能
貨物積載能力強化のため、貨物搭載スペースは1,133 m3に拡大された(LSD-41級では149 m3)。車両搭載スペースも、1,208 m2と、LSD-41級と同等程度を確保している[1]。
これらのスペースを捻出するため、LSD-41級では上部構造物下方の半ばまで伸びていたウェルドックは、後部煙突程度までと、大きく削られている。これに伴い、上陸用舟艇の収容能力は下記の通りに減少している(括弧内はLSD-41級)[1]。
- LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇であれば2隻(4隻)
 - LCU-1610級汎用揚陸艇であれば1隻(3隻)
 - LCM(8)型機動揚陸艇であれば4隻(10隻)
 
一方、航空艤装はほぼ同様で、ウェルドック上に架するかたちで固定式のヘリコプター甲板が設けられており、発着スポット2個が設定されている。車両甲板とのあいだは力量8トンのエレベータで連絡されている。必要であればここにも上陸用舟艇を搭載できるのもLSD-41級と同様だが、搭載数は12.2メートル型作業艇1隻、LCPL 2隻と減少しており、その着揚収用のクレーンも、力量30トンのもの1基を右舷に備えるのみとされている[1]。
個艦防御機能
LSD-41級の後期建造分(LSD-46以降)とほぼ同構成であり、対空捜索レーダーとしてはAN/SPS-49(V)5が搭載された。
武装も、新造時には艦橋構造物上部前後に装備されたファランクスCIWSのみであったが、その後、RAM近接防空ミサイルの21連装発射機が追加装備された[2]。また近距離で水上目標に対して使用するMk.38 25mm単装機銃は、当初は砲側照準式のmod.0ないしmod.1であったが、順次に遠隔操作式のmod.2に換装されている[1]。
なお、2004年までに全艦がSSDS Mk.1を装備したほか、Mk.2にアップグレードして、共同交戦能力やリンク 16に対応する計画もある[1]。
同型艦
全艦がエイボンデール造船所で建造された。当初は12隻の建造が検討されたものの、新型のドック型輸送揚陸艦(LPD)であるサン・アントニオ級の建造に伴って、1992年度の建造分で計画は打ち切られた[1]。
| 艦番号 | 艦名 | 発注 | 起工 | 進水 | 就役 | 退役 | 母港 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LSD-49 | ハーパーズ・フェリー USS Harpers Ferry  |  
     1988年 6月27日  |  
     1991年 4月15日  |  
     1993年 1月16日  |  
     1995年 1月7日  |  
     2024年予定 | カリフォルニア州 サンディエゴ海軍基地  | 
    
| LSD-50 | カーター・ホール USS Carter Hall  |  
     1989年 12月22日  |  
     1991年 11月11日  |  
     1993年 10月2日  |  
     1995年 9月30日  |  
     2023年予定 | バージニア州 リトルクリーク海軍揚陸基地  | 
    
| LSD-51 | オーク・ヒル USS Oak Hill  |  
     1991年 3月27日  |  
     1992年 9月21日  |  
     1994年 6月11日  |  
     1996年 6月8日  |  
     2025年予定 | |
| LSD-52 | パール・ハーバー USS Pearl Harbor  |  
     1993年 10月12日  |  
     1995年 1月27日  |  
     1996年 2月24日  |  
     1998年 5月30日  |  
     2024年予定 | カリフォルニア州 サンディエゴ海軍基地  | 
    
参考文献
- ^ a b c d e f g Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 867-868. ISBN 978-1591149545
 - ^ a b 「アメリカ揚陸艦史」『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、1-135頁、 NAID 40015212119.
 - ^ 吉原栄一「世界の新型揚陸艦 (フロム・ザ・シー)」『世界の艦船』第482号、海人社、1994年6月、70-77頁.
 
外部リンク
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固有名詞の分類
| アメリカ合衆国の揚陸艦 | 
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