ハビタブルゾーン外での居住性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 06:57 UTC 版)
「ハビタブルゾーン」の記事における「ハビタブルゾーン外での居住性」の解説
液体の水がある環境は、大気圧が無い場合やハビタブルゾーンの領域外でも存在できることがわかっている。例えば、土星の衛星であるタイタンやエンケラドゥス、そして木星の衛星であるエウロパやガニメデは、地下に大量の水をたたえた海を持っているかもしれない。 ハビタブルゾーンの外では、潮汐加熱と放射性崩壊の2つが液体の水の存在に寄与できる可能性のある熱源である。2011年にAbbotとSwitzerhaは、放射性崩壊による加熱と厚い表層の氷による断熱の結果として、地下水が自由浮遊惑星に存在する可能性を提唱した。 地球上の生命体は、実際には安定した地下の生息地から発生したのではないかという理論もあり、これらのような地下の湿った地球外生命体の生息地が「生命で溢れる」ようになるのは一般的なものかもしれない。実際に地球上でも、表面から6 km以上深いところで微生物を発見できる可能性がある。 もう一つ考えられる可能性として、ハビタブルゾーン外の天体に生息する生命体が水を全く必要としない代わりの生化学を用いるかもしれないということが挙げられる。宇宙生物学者のChristopher McKayは、メタン(CH4)が「氷の生物(Cryolife)」の進化を促す溶媒になる可能性があることを示しており、太陽系における「メタンのハビタブルゾーン」は太陽から11 au(約16億1000万 km)離れた領域にある。土星の衛星タイタンはこのメタンのハビタブルゾーン付近に位置しており、炭化水素の湖の存在や大気からメタンの雨が降ることから、タイタンはMcKayが提案した「氷の生物」を発見するのに理想的な環境となっている。さらに、微生物実験ではいくつかの条件下ならハビタブルゾーン外でも生命体が生存可能であることが判明している。
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