ニュースの取材と配給
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 04:12 UTC 版)
「メディア研究」の記事における「ニュースの取材と配給」の解説
この問題は、その先でもうひとつの主題につながっていく。ニュースがいかにもたらされるべきかという規範的理論よりも、実際にニュースがどのように生まれているのかの経験的実態がより重要になる。初期に強調されていたのは「ゲートキーピング (gatekeeping)」であり、編集者が、例えば通信社から供給される記事など、手元に流れ込んでくる情報の中から、特定の項目を取り上げる基準は何なのかが問題になった。後になると、議論の力点は、ニュースの取材、配給の全過程へと広げられていった。この分野の古典的業績としては、米国では、ゲイ・タックマン (Gaye Tuchman) の『Making news – A study in the construction of reality』(1978年)、ハーバート・J・ガンズ (Herbert J. Gans) の『Deciding what’s news (at CBS & NBC, Time and Newsweek) 』(1978年)、英国では、フィリップ・シュレジンガー (Philip Schlesinger) の『Putting ‘reality’ together – BBC news』(1987年)がある。 影響力のあった初期の研究のひとつは、英国の研究者ジェレミー・タンストール (Jeremy Tunstall) の『The media are American』(1977年)であった。この本は、メディア産業における英語優位の背景にある理由を論じている。アイルランドの元大臣で、アムネスティ・インターナショナルの共同創設者のひとりであったショーン・マクブライドは、ユネスコによる大規模な研究を主導し、『多くの声、一つの世界 (Many voices, One world – Towards a new more just and more efficient world information and communication order』(1983年)をまとめた。この議論をめぐる法制度的側面については、セーズ・ハメリンク (Cees Hamelink) の『The politics of world communication)』(1994年)に、社会的、心理学的側面についてはヤープ・ファン・ギンネケン (Jaap van Ginneken) の『Understanding global news』(1998年)に要約されている。
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