ニューアメリカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 09:08 UTC 版)
「ハテラス船長の冒険」の記事における「ニューアメリカ」の解説
ニューアメリカとは、北極海の、エルズミーア島の北部に浮かぶ巨大な島であり、ジョン・ハテラス船長と隊員たちによって発見された。西岸にヴィクトリア湾、ワシントン岬、ジョンソン島、ベル山、プロヴィデンス要塞があり、北部(北緯87度5分 西経118度35分 / 北緯87.083度 西経118.583度 / 87.083; -118.583)にはオルタモント港がある。 ヴェルヌの創作の多くにあるように、小説が書かれた時代(1866年)の科学的知識に基づいた北極の地理だけでなく、未来の発見を予知するような記述を含んでいる。エルズミーア島は1852年に再発見され、エドワード・オーガスタス・イングルフィールド(英語版)により名付けられた。さらにその後、1860年から1861年にかけて、アイザック・イズラエル・ヘイズがエルズミーア島を探検した。本作の出版から40年後の1906年、ロバート・ピアリーがクロッカー島を北緯83度付近で見たと主張し、1909年にはフレデリック・クックがブラッドリー島を北緯85度で発見したが、どちらもヴェルヌのニューアメリカの範囲である。クックの航路は恐らくヴェルヌの作品に刺激を受けている。 この島は、アメリカの探検家で、この島に初めて上陸した人物であるアルタモント船長により名付けられた。小説では、ニューアメリカがアメリカ合衆国の領土として主張されているかどうかは定かではない。ウィリアム・ブッチャーが指摘するように、アメリカのアラスカ購入について "The Fur Country" で書いており、リンカーン島は『神秘の島』でアメリカが占有する提案がなされている。実際に、削除された"John Bull and Jonathan" という章では、ハテラスとアルタモントが、ニューアメリカがどちらの祖国に属するかを争う場面がある。
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