ニセ報告書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 16:02 UTC 版)
関連する存在として、ノンフィクション形式で書かれたでっち上げ文書というものがある。有名なものとしては、1967年に出版された『アイアンマウンテン報告 平和の実現可能性とその望ましさに関する調査(英語版)』が挙げられよう。これは、1966年に『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載された「平和への怯え」から株価が暴落したニュースに刺激され、ポール・リュインらがでっち上げたニセの報告書である。執筆には多くの学者やジャーナリストが協力したとされ、経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイスもそのうちの一人だったといわれる。この報告書は、ある政府機関からの依頼で民間の調査委員会がまとめたものとして書かれ、戦争が消滅し完全な平和状態が実現されたあかつきには社会が崩壊すると結論付けていた。そして戦争肯定的とも受け取られかねないその過激な論旨から、発禁になったのだと設定されていた。これは極端な戦略思考に貫かれたシンクタンク報告書の書式を徹底して模倣したパロディだったが、出版された当時、多くの政府関係者がこの報告を本物だと考えたという。
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