ナンセンス・ミスセンス変異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 16:18 UTC 版)
「ラミノパシー」の記事における「ナンセンス・ミスセンス変異」の解説
ラミンA/Cのロッドドメイン (rod domain) とテールドメイン (tail domain) におけるミスセンス変異は幅広い遺伝子異常の原因であり、ラミンA/Cは明確な機能的ドメインを含み、さまざまな細胞系統の維持や完全性に必須となっていることが示唆される。ラミンAと核膜タンパク質であるエメリンとの相互作用は筋細胞において重要であるように見える。ラミンの特定の変異はエメリンの変異を擬態し、エメリー・ドレイフス型筋ジストロフィーを引き起こす。さまざまな変異が優位抑制(ドミナントネガティブ)型や劣性型のアレルとなる。ラミンAとエメリンの双方の誤った局在を引き起こすようなロッドドメインの変異が、常染色体優性型の筋ジストロフィーと心筋症の患者には生じている。 ラミンBの変異の大部分は致死的であるようであり、ラミンB1に変異を有するマウスは出生時に死亡する。2006年に、後天性部分性リポジストロフィーの患者にラミンB2のミスセンス変異が同定された。 最もよくみられるラミンA/Cの変異は、LMNA遺伝子のエクソン9におけるホモ接合型Arg527His置換(527番目のアルギニン残基がヒスチジンで置き換わっている)である。他には、Ala529ValやArg527His/Val440Metといった変異が知られている。加えて、Arg527Cys、Lys542Asn、Arg471Cys、Thr528Met/Met540Thr、Arg471Cys/Arg527Cys、Arg527Leuといった変異は、プロジェリアと似た特徴を伴う下顎骨異形成(英語版)を引き起こす。
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