ドガとバレエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:31 UTC 版)
ドガの作品にはバレエを扱った主題、ことに楽屋や練習風景、舞台袖といった一般人では出入りできない場所での場面を描いたものが多い。当時、踊り子たちはオペラ座の「小さなネズミ」fr:Petit ratと呼ばれていた(語源にはさまざま説がある)が、彼女らの舞台裏をありのままに描いた。印象派の多くの画家たちとくらべれば、銀行家の息子であり裕福な家庭の出身であったドガは、バレエを好み、オペラ座の定期会員になっていた。座席を年単位で購入する定期会員は、オペラ座の楽屋や稽古場に自由に立ち入ることが許されていた(20世紀半ばにこの特権は廃止された)。当時、オペラ座の一般会員は上流階級の社交場でもあったので、父の逝去後、経済的には苦しくなった後にもドガは一般会員を続けていたものと思われる。ドガの描いたバレエの主題の多くはそこで見た風景である。 ドガの通った時代は、クラシック・バレエやモダン・バレエがまだフランスには紹介されておらず、フランスはロマンティック・バレエの時代で、ドガの作品のバレエ風景はすべてロマンティック・バレエの風景となっている。 また、パリ・オペラ座の側でもドガに敬意を払い、ドガが1881年に発表した彫刻「14歳の小さな踊り子」をモチーフにしたバレエ作品を2003年、ドガも通ったガルニエ宮(いわゆる「オペラ座」の劇場である)で初演している。
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