トルコ海峡とは? わかりやすく解説

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トルコ海峡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/02 08:37 UTC 版)

トルコ海峡の位置を示した地図。赤がボスポラス海峡、黄色がダーダネルス海峡、トルコの領土が緑色で表示されている。
ボスポラス海峡(赤)、ダーダネルス海峡(黄)、その間のマルマラ海を総称してトルコ海峡と呼ぶ。
2004年4月に国際宇宙ステーションから撮影された、ボスポラス海峡。上部の水域は黒海、下部の水域はマルマラ海で、ボスポラス海峡はこの2つを南北に結ぶ曲がりくねった水路である。ボスポラス海峡の西岸はヨーロッパ大陸の地理的起点となり、東岸はアジア大陸の地理的起点となっている。下部両岸に沿って広がるのがイスタンブールの街である。
2006年9月にランドサット7号から撮影された、ダーダネルス海峡の眺め。左上の水域はエーゲ海、右上の水域はマルマラ海。細長い上の半島は、ヨーロッパ大陸側のガリポリ (トルコ語: Gelibolu)であり、下の半島はアジア大陸側のトローアス (トルコ語: Biga)半島である。 ダーダネルス海峡は、二つの半島の間を北東から南西に向かって斜めに走る先細形状の水路である。ダーダネルス海峡に突出している地点を中心に、下の半島の海岸に沿ってチャナッカレの町が見える。

トルコ海峡(トルコかいきょう、トルコ語: Türk Boğazları)は、トルコ北西部にある国際的に重要な水路である。この海峡はエーゲ海地中海黒海を結ぶ一連の国際航路を形成している。ダーダネルス海峡ボスポラス海峡で構成され、それらの海峡はマルマラ海の両端を通る。海峡とマルマラ海は、トルコの主権領海の一部であり、内海法の適用を受けている。

トルコ海峡はユーラシア大陸の西部に位置し、ヨーロッパ大陸とアジア大陸の境界であり、ヨーロッパの東トラキアとアジアのアナトリア半島を分ける境界線とされている。国際通商・政治・戦争において戦略的に重要な役割を果たしてきたため、トルコ海峡はヨーロッパと世界の歴史において重要な役割を担ってきた。1936年以来、モントルー条約に基づいて管理されている。

地理

海峡地帯は海上水路として、東地中海、バルカン半島近東、西ユーラシアに沿ったさまざまな海を結んでいる。具体的には、黒海からエーゲ海地中海ジブラルタルを経由して大西洋スエズ運河を経由してインド洋への海上輸送を可能にしており、 特にロシアからの物資輸送に重要な国際水路となっている。

トルコ海峡は、次の水路で構成されている。

経済活動の進展は、固有のイルカネズミイルカなどの海洋生態系を脅かしている[1]

海峡問題

トロイ戦争がエーゲ海の入り口近くで戦われて以来、トルコ海峡は海洋戦略上重要な地位を占めてきた。オスマン帝国の衰退期には、「海峡問題」がヨーロッパとオスマン帝国の外交官を巻き込んだ課題となった。

1841年7月13日、ヨーロッパ列強 — ロシアイギリスフランスオーストリアプロイセン — の間で5国海峡条約英語版が取り交わされ、スルターンの同盟国のものを除くすべての軍艦が海峡航行を禁止されたことで、オスマン帝国による「往古の支配」が再確立された[2]

この条約は、ボスポラス海峡、マルマラ海、ダーダネルス海峡へのアクセスを扱う一連の協定の1つである。この条約は、1833年に締結された、オスマン帝国がロシア帝国の軍艦のトルコ海峡通行権を認めた秘密条約ウンキャル・スケレッシ条約(Unkiar Skelessi)から発展したものである。

これらの関係を統制した近代的条約が、現在も効力を有している1936年のモントルー条約である。この条約は、海峡に進入する軍艦の管理権をトルコ共和国に与えているが、平時には民間船の自由通過を保証している。

脚注

  1. ^ Khan S.. 2013. An Economic Boom in Turkey Takes a Toll on Marine Life. Yale Environment 360. Retrieved on September 06, 2017
  2. ^ Rozakis & Stagos 1987, pp. 24–25.

参考文献

関連項目

外部リンク




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