デジタル録音方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 09:16 UTC 版)
合成電子音方式に代わって登場したのがデジタル録音の音声を用いる方式で、内蔵されたROMに搭載された音声データを再生するものである。デジタル録音方式は、あらかじめ録音されたフレーズを組み合せて発声させる出力方式であることから、合成電子音方式と比較して汎用性に乏しかった。その欠点もLSI生産コストの低減により、機器に合わせた仕様のLSIチップが大量生産されるようになるにつれて解消された。またLSIにフラッシュメモリーを組み込むことで、パッケージ化された後に任意のメッセージを録音可能なものも存在する。 録音音声により発声する方式は、当初こそ記憶容量の問題から音声データのビットレートが低く、「感度の悪いラジオ」程度に聞き取りづらいものであったが、次第に記憶容量が増えたりデータ圧縮方式が改良されるにつれて、明瞭な音声を搭載することができるようになった。今日ではコストダウンも進み、玩具類、自動販売機、キャッシュディスペンサー等の音声アナウンスのみならず、構内放送等のチャイム音(俗にいうウェストミンスターの鐘)においても同方式を用いて電子的に録音された音が用いられ、また、信頼性の高さから人命に関わる火災報知器の避難を促す音声ガイドにもこれらのLSIが利用されている。
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