ディッカー塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 16:40 UTC 版)
ディッカー塔 (Dicker Turm) はその壁が分厚い (dick) ことから名付けられた。 ディッカー塔はルートヴィヒ5世によって建設された防衛施設の一つである。高さ40m、壁の厚さは5mもある堅固なもので、直径は28mである。それでもこの堅固な壁は爆破され、亀裂が入っている。 この塔は都市側に向いて威嚇的な姿を見せているが、これは建築家の計画にも盛り込まれていることで、平安伯と呼ばれるルートヴィヒではあるが、平和を維持することの困難さを示したものと考えられる。 フリードリヒ5世はこの塔の上階に劇場を造らせた。この劇場は1613年に焼失したロンドンのグローブ座に倣って造られた。選帝侯はこのディッカー塔の劇場でイギリス出身の妻と親交を深め、シェークスピアの演劇の伝統を引き継いだのである。ほぼ円形のこの劇場は直径約28mで85m2の広さがあった。 ディッカー塔の銘板には塔の建設者だけでなく、改造した者の名前も記述されている。また、ルートヴィヒ5世とフリードリヒ5世の二人の像が飾られている。 1689年に塔の北側一部が爆破され谷に崩れ落ちた。1693年にハイデルベルク市民に対して、この崩落した塔の遺構から石材を切り取り自分の家を建てる資材にしてよいという公式許可が出された。このため、たとえば中将で狩猟区長官のフェンニンゲン男爵フリードリヒは選帝侯許可のディッカー塔の石材で家を建てたと公言している。
※この「ディッカー塔」の解説は、「ハイデルベルク城」の解説の一部です。
「ディッカー塔」を含む「ハイデルベルク城」の記事については、「ハイデルベルク城」の概要を参照ください。
- ディッカー塔のページへのリンク