テンポと演奏時間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:18 UTC 版)
1888年(明治21年)のエッケルト編曲「大日本礼式」におけるテンポは、♩=70(1分間に四分音符70拍)と設定されていた。このテンポで演奏すると、演奏時間はだいたい37秒となる。1912年(大正元年)の「儀制ニ関スル海軍軍楽譜」別冊収載の「海軍儀制曲総譜」の「君が代」にはテンポ表示がなく、Larghetto(ややおそく)の速度標語が記載されている。1893年(明治26年)8月の文部省告示「祝日大祭日歌詞竝楽譜」では、♩=69であった。 ♩=60で演奏した場合、1拍を1秒とすると44秒となる。旧海軍では軍艦旗を掲揚降下する際、信号ラッパ譜の「君が代」(国歌の「君が代」とは別の曲、#関連する楽曲節の楽譜とサウンドファイルを参照)を45秒で吹奏しており、同じ港湾に軍楽隊が乗り込んだ旗艦が停泊していた場合、国歌の「君が代」もラッパ譜の「君が代」と同じく45秒で演奏していた。これは、習慣となったものであり、明文化された資料等は確認されていない。なお、♩=50で演奏すると52秒かかり、NHKのテレビ・ラジオ放送終了時に演奏されるテンポとなる。 近代オリンピックにおいては、2014年ソチオリンピック以降、表彰式で流される君が代(演奏:読売日本交響楽団)が1分20秒に及ぶスローテンポとなったが、これは2012年頃、国際オリンピック委員会(IOC)が国旗掲揚のときに統一感を出すためにと、演奏時間を60 - 90秒に収めた国歌音源を提出するよう指示したことに対し、日本オリンピック委員会(JOC)が応えたことによるという。しかし、2016年リオデジャネイロオリンピックの際に選手から「(長くて)歌いづらかった」と不満が出たことなどから、2018年平昌オリンピックまでに音源が差し替えられ、1分4秒の長さに変更された。
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