テカムセの演説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 07:30 UTC 版)
文字を持たず、口承文化を重んじるインディアンとして、テカムセもまた優れた弁舌者だった。テカムセは部族を超えてインディアン同胞に語りかけ、彼の言葉はインディアンたちを蜂起させたのである。 1806年、テカムセはショーニー族の土地への白人入植者の侵入に抗議して、以下のように宣言した。 白人たち(the white man)による侵略というこの悪を阻止する、唯一無二の方法は、インディアンが一致団結して、土地に対する共通の、しかも平等な権利を主張することしかない。土地というものは、かつて分割されたことなどなかったのだ。それは我々インディアンたち全員のものだ。いかなるインディアン部族も、それがたとえ同じ部族同士であっても、土地を売り渡す権利など誰も持っていない。ましてや、よそから入り込んで来た白人などに売る権利などは断じてないのだ。 1811年には、彼は「ティピカヌーの戦い」を前に、同胞たちに以下のように呼びかけた。 今、ピクォート族はどこにいるのか? ナラガンセット族も、モヒカン族も、ポカノケット族も、他にも大勢いた我らが同胞の強力な部族は、どこへいってしまったのか? 彼らは白人の強欲と圧迫の前に、あたかも夏の日差しの前の雪のように消え失せてしまった。我々は、それが自分達の番になった今、戦うこともせずに滅びていくべきなのか。大精霊が我々にお与えくださった家、土地、先祖の眠る墓、そしてすべての我々にとって愛しくも神聖なもの、すべてをあきらめてしまうべきなのか? 私はあなた方が私にこう叫ぶだろうことを知っている。「いいや、決してそんなことはない!」と!
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