チベット亡命政府による「チベットの統合」要求
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 00:33 UTC 版)
「チベットの領域に関する認識と主張」の記事における「チベット亡命政府による「チベットの統合」要求」の解説
チベット亡命政府は、中国が「西蔵」部分のみを「チベット」とすることに対して、チベットを分割、縮小しようとするものとして非難している。 チベット問題解決のため中国政府に対して要求した「チベットの真の自治」の条件の一つとして、「チベット人の自治行政単位の統合」を挙げている。 中国政府は、チベット亡命政府の統合要求に対し、上記の領域が「歴史上いちどたりとも統合されたことがない」と拒否している。 国家民族事務委員会は以下の三点から、チベット政府の要求は、非現実的として反論した。 1)「チベット地方」と、四川・甘粛・青海・雲南の一部地域からなる諸地方は、地図の上では隣り合っていて、チベット人がまとまって共同体をいくつも形成している地域ではあるが、山脈によって物理的に隔絶されているため、歴史的に統合されたことがない。 2)これらの多様な諸地方は経済的、文化的発展が十分ではないため、統合された経済圏をつくることができない。 3)一つの自治区としてのサイズを考えるなら、ことなる民族集団の平等の権利が保護され、民族の一体性が強化されるべきであるに留まらず、自治区の管理と経済的、文化的発展をも考慮せねばならない。全てのチベット人共同体を包含し、かくも広大な領域を覆うような単一の自治区を設けても、経済的、文化的発展を支えることはできずに、かえってこの地方の自治にマイナスの影響を及ぼすだろう。
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