ダイズ土器の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 16:10 UTC 版)
山梨県立博物館では、土器内部の植物圧痕を観察するレプリカ・セム法により栽培植物の起源を明らかにする研究を行っているが、2007年には山梨県埋蔵文化財センターとの共同研究において、酒呑場遺跡の181号土坑から出土した縄文中期の蛇体把手付土器の把手部分から栽培ダイズの圧痕が発見され、レプリカ・セム法による観察で栽培植物であると確認された。また、同様の手法で山梨県都留市の中谷遺跡から出土した縄文晩期前半の土器からは穀物害虫であるコクゾウムシが検出されている。 さらに2009年には縄文中期前葉から中葉にかけての住居跡から出土した五領ヶ台式期から藤内式期の縄文片から複数のダイズ属のダイズ、ツルマメ、ササゲ属アズキ亜属の圧痕が確認され、同時に行われた北杜市大泉村の天神遺跡出土の縄文前期土器内部からもダイズ圧痕が確認されている。 ダイズの栽培についてはこれまで弥生時代であるとされていたが近年は縄文時代後期の検出例があり、さらに縄文前期にまで遡る発見としてこれらの発見は縄文農耕の観点からも注目されている。また、2009年の報告においては縄文土器内部への意図的混入の可能性も指摘され、ダイズ圧痕の意義についても検討が行われている。
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