セイヴァリ機関の建造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/23 20:28 UTC 版)
「トーマス・セイヴァリ」の記事における「セイヴァリ機関の建造」の解説
セイヴァリ機関は、コーンウォール州の鉱山地帯で数台建造された。最初のものはヘルストンから数 km 離れたブレッジ(Breage)の錫鉱山で建造されたものであり、当初は有効に排水を行っていた。しかし、坑道が深くなるにつれ蒸気圧を高くせざるを得なくなり、しばしば破裂事故を起こし、やがてニューコメン機関に取って代わられた。また1705年に、スタッフォード州ウェンズベリ(Wednesbury)近くのブロードウォーターの炭鉱でも、セイヴァリ機関が設置された。ここは、その数年前に急な出水に見舞われて水没していたが、セイヴァリが採用したすべての方法はうまく行かず、結局、排水力を増すために蒸気の圧力を高くして大爆発を起こし、彼は撤退せざるを得なかった。 テムズ川からロンドン西部へ給水する目的で、セイヴァリはヨークビルディングに機関を建造したが、ここでも彼は成功しなかった。揚水量を増すために、すべての部分を2倍の大きさにしたが、そのために多くの不具合が生じ、一つのミスが装置全体を動かなくした。彼が初期の比較的小型で単純な機関で得た信用は、後半の機関により失われていった。 結果としてセイヴァリ機関の用途は、噴水への水供給、紳士の邸への給水、および上掛け水車を動かすための揚水に限定されていた。セイヴァリ機関を改良する種々の試みが、ベンジャミン・ブラッドリー(Bradley)、ドゥニー・パパン、ジョン・デサグリエなどによりなされたが、根本的な改良は、ニューコメンの機関が現れるまでなされなかった。
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