スポーツと芸術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:06 UTC 版)
美的な事柄についての哲学である美学の領域において、近年スポーツに注目する理論家が増えてきた。例えば、デビッド・ベストは、スポーツと芸術との類似性について書き、倫理との関連性なしにスポーツが純粋に美的なものに近いことを強調した。ベストは、芸術の特徴として、人生に道徳的な考察をもたらす能力を持っていることを挙げる。スポーツにはこのような能力はないが、多くのスポーツの楽しみは間違いなく美的なものであると彼は考えた。 1998年にスロヴェニア共和国のリュブリヤーナで行われた第14回国際美学会議で発表された、ヴォルフガング・ヴェルシュの論考「スポーツー美学の視点から、さらには藝術として?」は、鋭い洞察力を以て、スポーツが芸術に似ているところを解析し、現代の文化状況に問いを投げかけた。かつて精神を鍛える手段として、倫理の領域に属するものと見倣されていたスポーツは、いまでは、美的/感性的なものとして、芸術の性格を顕著に示すようになり、「今日の the popular art」と呼びうるものになっている、とヴェルシュは考えた。
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