スプリットセコンド・クロノグラフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 18:25 UTC 版)
「クロノグラフ」の記事における「スプリットセコンド・クロノグラフ」の解説
ストップウォッチ用の針を2本持ち、中間タイム(スプリットタイム)の計測などを行える特殊なクロノグラフ。日本では「割剣」と呼ばれていた。 通常のクロノグラフと同様の運針を行う針をクロノグラフ針、もう1本の針をスプリット針と呼ぶものとして機能を説明すると次のようになる。 スタート/ストップボタンを押すと2本の針が同時に動き、秒単位の計測を開始する。計測の途中でスプリットボタンを押すとスプリット針が停止。一方クロノグラフ針は運針を続ける。 2台の自動車あるいは2人のランナーといった2つの移動体のタイム差を計測するのならば、先行している移動体が計測地点を通過した時点でスプリットボタンを押す。そして後続の移動体が計測地点を通過した時点で今度はスタート/ストップボタンを押せばクロノグラフ針の運針も停止する。この場合スプリット針は先行する移動体のタイムを、クロノグラフ針は後続の移動体のタイムを示すことになる。 また単体の自動車なりランナーのラップタイムも連続して計測できる。この場合は、移動体が計測地点を通過した時にスプリットボタンを押せばスプリット針が停止し、これがラップタイムとなる。もう一度スプリットボタンを押すと、停止していたスプリット針が運針を続けているクロノグラフ針に追いつく。次の周回以降も同様の操作を繰り返し、前周までとの差を紙などに記録していけば、トータルタイムと各周回のラップタイムがわかるというわけである。 機構としてはスプリットボタンと連動する歯車やカムがあり、それらと連動して動く機構内のレバーの作用により、1度目のプッシュでスプリット針を回す歯車を停止させるブレーキレバーが作用し、スプリット針が停止する。2度目のプッシュではスプリット針と同軸のハートカムをハンマーが叩き、それによって生じた回転運動によってスプリット針がクロノグラフ針に追いつく。
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