ストレスの生物学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 20:26 UTC 版)
「ストレス (生体)」の記事における「ストレスの生物学」の解説
コルチゾール(Cortisol)は副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ヒドロコルチゾン(Hydrocotisone)とも呼ばれる。炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンである。3種の糖質コルチコイドの中で最も生体内量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はこれによる。ストレスによっても発散される。分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。また、このホルモンは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者の脳のMRIなどを例として観察されている。 ストレスによるコルチゾールの放出による海馬の萎縮は、動物実験では可逆的であり回復につれて海馬は成長する。ヒトでもクッシング症候群の研究者は、コルチゾールの濃度が改善されてから海馬の成長が起こっていることを確認している。 またトンカットアリとコルチゾール量の関係について調べた研究では、トンカットアリを摂取したグループは摂取しなかったグループと比べてコルチゾールが16%減少し、さらにアンケートによって緊張・怒りの感情は共に10%以上軽減されたという研究結果も報告されている。
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