ジョロウグモの網
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:54 UTC 版)
ジョロウグモの網は、とても大きく、直径1mくらいのものもある。横糸が黄色いので、光が当たると金色に光って見える。 ジョロウグモの網は、いわゆるクモの網として、普通に知られている網の形、円網の一種だが、特殊な部分がたくさんある。円網は、ふつう、外側に「枠糸」があり、その枠の中に、中心から放射状にのびた「縦糸」と、同心円を描くように(実際には螺旋)張られた「横糸」からなり、横糸に粘液がついているものである。隣り合った縦糸の間の空間は扇形になり、そこに張られる横糸は、当然ながら中心から遠いほど長くなる。ところが、ジョロウグモの網の場合、それぞれの縦糸間の横糸の長さが、中心近くでも、外側でもそれほど変わらない。これは、ジョロウグモの縦糸が、外に行くにつれて二又に枝分かれするように張られているからである。 横糸は黄色で、5〜6本おきに間隔が開いている。横糸の間隔をよく見ると、透明なジグザグの横糸が入っている。これは、横糸を張る前に張られる足場糸が残っているためである。このジグザグ模様は作りたての新しい網にははっきりと見て取れるが、古くなり形が崩れると、ただの格子模様になってしまう。横半分だけを作り直す習性もあり、このため、左右で模様が若干異なる網も見られる。また、上の方に、横糸の張られていない縦糸の間がある。つまり、ジョロウグモは、横糸を張るときにぐるぐる回るのではなく、往復運動だけで横糸を張る。しかも、下の方で往復を繰り返すので、網全体は下へ伸びた形になっている。 網全体を見れば、円網に近い中心の網の前後に、立体的な補助の網を持っているのも特徴。
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