ジャカードのコンピュータ化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 14:02 UTC 版)
「CGS ジャカードフォーマット」の記事における「ジャカードのコンピュータ化」の解説
織物は経(たて)糸と緯(よこ)糸を組み合わせたものであり、特定の経糸を上げたり、下げたりして、その間に緯糸を挿入することによって織っていく。ジャカードとは、織機の上に設置し、個々の経糸を上げたり下げたりすることで複雑な柄を織る装置であり、これで織った織物がジャガード織物である。紋紙と呼ばれる厚紙に、一定の規則に従って穴を開け、その紋紙をジャガードに読ませ、選択的に経糸を上げ(それ以外の経糸は下がる)、意図した柄を織ることができる。 ジャカード織機では経糸を上げるか下げるかを、厚紙(紋紙)に穴を開けるか開けないかで表現しているわけだが、19世紀にチャールズ・バベッジが構想した一種の機械式コンピュータとされる「解析機関」はこれにほぼ類似した機構で制御することが想定されていたし、後にはコンピュータで多用されたパンチカードの着想もこの厚紙に由来するとされているように、歴史的に見てもコンピュータと縁が深いものである(ジャカード織機の紋紙データを縦方向に積み重ねると、ジャガードの針数をXサイズ、紋紙枚数をYサイズとするラスタ画像になる)。ジャカードデータ作成をコンピュータでおこなう試みは1980年代初期よりおこなわれていた。 初期には、デザインシステム(柄をコンピュータ上で作成し、紋紙データに変換するシステム)を使用して柄を作成、紋紙の穴パターンをテープまたはフロッピーに出力し、紋彫機(紋紙に穴を開ける機械)で紋紙を彫る方式がおこなわれていた(現在でも多い)。すなわち、最初に紋彫機のデジタル化がおこなわれた。 その後、電子ジャカードが出現し、紋紙を使わずに、電子的信号によって経糸の上がり下がりを制御できるようになり、多くのメカ式ジャカードが電子ジャカードに置き換えられている。この場合、上がり下がりのデータは、デザインシステムから、フロッピーやその他のメディアで出力、または、ネットワークで、直接、ジャカードに出力される。
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