シチリアの三脚巴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 09:30 UTC 版)
シチリアの古いシンボルとして有名な三脚巴(トリナクリア)は、同様にアガソクレス(紀元前317年 - 289年)の硬貨でシラクサの街のギリシア硬貨としても特色をなした。シチリアで歴史的に初とされる住民はシカニ族(ギリシアのシカノイ)とシケル族(ギリシアのシケロイ)で、彼らはシチリアにより現代的な名前を与えられた。三脚巴はナポレオン時代にナポリ王(両シチリア王を称した)ジョゼフ・ボナパルトやジョアシャン・ミュラの紋章で復興した。 三脚巴をシンボルにする以前のシチリアはエーゲ海を越えたギリシャの植民地領マグナ・グラエキアの一部だった。ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは古代トリナクリア島の各地点の先端が互いに等距離にある三つの主要な頂点の街メッシーナ、パキーノ、マルサーラで島に形作る三角形がシチリアの三脚巴の起源と考えた。三脚巴の三つ脚は同様にギリシア神話の神ヘーパイストスの三脚器を連想させる。 叙事詩イリアスは、述べている。 「 この時期、ヘーパイストスは思い描く広間にあわせた三脚器を作り終えるまで労働に汗し息せききって多忙を極めた。その三脚器の各脚にヘーパイストスは金の車輪を付けていて、魔法の三脚器は神の集会や家に帰る時などに他の助けを借りることなく向かい皆を驚嘆させていたかもしれない。 」
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