シチュエーションCDとは? わかりやすく解説

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ドラマCD

(シチュエーションCD から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 08:34 UTC 版)

ドラマCDとは、ラジオドラマ(オーディオドラマ)の一種で、CD音声のみのドラマを収録したものである。「CDドラマ」と題されることもある。

概要

多くの場合、漫画ゲームアニメなどを原作とする。「絵なしアニメ」などと形容されることもある[1]。しばしば原作となる作品のメディアミックスにおいて、作品世界を構築する要素として役割を果たす[1]。同じ作品のドラマCDでも原作となるメディアが違うことも多く、例えば、ゲーム版とアニメ版など設定の異なるドラマCDが並存することもある。

また、データをmp3を初めとした音声ファイルとして収録し、PCなどの対応機器で再生させるものもある。また、稀にこれらの音声ファイルをCDではなくDVDに収録した「ドラマDVD」もある。

特徴

一般の店頭販売のほか、ゲームの予約特典、アニメのDVDの初回限定版の特典、漫画や雑誌付録などといった非売品も多い。

ドラマCDを製作した後にアニメ化される場合、担当声優がドラマCD版とアニメ版とでは異なっているケースが多い。配役はあくまで仮の声優であって、確約されたものではなくアニメ版で変えられることも少なくない。

シチュエーションCD / シチュエーションボイス

ドラマCDのうち、一人称視点で聞くものは「シチュエーションCD」と呼ばれる。担当声優は1人のものだけでなく、複数人のものも存在する。

またCD以外の形式のものはシチュエーションボイスと呼ばれている。

シチュエーションボイスの歴史

シチュエーションCDの登場

2001年10月に妹物のメディアミックスシスター・プリンセス」からラジオ番組シスター・プリンセス〜お兄ちゃんといっしょ」が登場し、その番組のコーナー「オリジナルストーリー お兄ちゃんといっしょ」で添い寝シチュエーションのラジオドラマが展開され、そのラジオドラマをボイスCDとしてまとめたものが2002年に「VOICE CD Sister Princess〜お兄ちゃん大好き♥〜」として発売された。

次いで2006年7月よりはおにいちゃんCDを初めとする妄想ボイスCDが登場し[2]、2008年1月よりはお姉ちゃんに命令されて眠れないCDを初めとする眠れないCDシリーズも登場した[3]。また女性向けシチュエーションCDもアスガルドhoneybeeレーベルやBlackButterflyレーベル)などにより提供されるようになった。

また2008年には携帯電話向けとしてシチュエーションボイスのオーダーメイドサービス『萌ごえっ!』が登場した[4]

2010年6月にはコナミの恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』シリーズより耳元シチュエーションCD『みみもと ラブプラス』が登場し[5]、それと同時にこのシミュレーションCDと限定ゲーム機をゲームソフト本体へと付属した『ラブプラス+プレミアムパック』も発売[6]、後者は2時間で完売するほどの人気となった[6][注 1]

その後もコンシューマーゲームでは、2012年の『ルーンファクトリー4』の先着購入特典に『こっそり聴きたい添い寝CD』が付属し[7]、2013年の『超次元ゲイム ネプテューヌリバース1 ファミ通DXパック』に『冒険で○○されちゃうCD』が、その予約特典に『女神たちが添い寝してくれちゃうCD』が付属した[8]

シチュエーション映像の登場

2009年にはプリマステアより筋トレシチュエーションのOVAいっしょにとれーにんぐ』が登場し[9][10]、2010年にはその続編として睡眠シチュエーションのOVA『いっしょにすりーぴんぐ』が登場した[9]

また同2010年4月にはシチュエーションCD『チューCD』の関連作として実写シチュエーションDVDの『チューDVD』が登場し[11]、同年10月には前述のシチュエーションCD『おにいちゃんCD』を実写化した『おにいちゃんDVD』も登場した[12]

2015年から2016年にはテレビアニメからも筋トレシチュエーションのアニメ『あにトレ!EX』が登場した[9][13]

シチュエーションボイス付きゲームの登場

スマートフォンアプリでは2011年にシチュエーションボイス付きトレーニングアプリの『ねんしょう!』が登場し[9][14]、2017年に無料化された[14]

また、2016年には前述のアニメ『あにトレ!EX』を元にしたシチュエーションボイス付きトレーニングアプリ『あにトレ!EX ~いっしょにやろうよ!』も登場した[15]

シチュエーションボイスVRの登場

2017年には Gugenka より『Re:ゼロから始める異世界生活』のボイス付き膝枕/添寝シチュエーション体験VR『VRで〇〇と異世界生活』シリーズが登場した[16]

2019年には同 Gugenka の VR/AR 向けデジタルフィギュアソフト『HoloModels』にボイス機能が追加され、それに向けたシチュエーションボイスなどが販売されるようになった[17]

2020年にはスマートフォン向け3D美少女ゲーム『オルタナティブガールズ2』にボイス付き添い寝シチュエーションVR機能が追加された[18]

キャラクターCD、イメージアルバム

ドラマCDに似た傾向を持つ商品として、キャラクターCD、イメージアルバムと題する物がある。それらにはが収録されているのだが、中には曲だけでなくドラマが収録されている物もある。

歴史

小説・漫画を原作とするドラマ盤は、ラジオドラマ以前におけるSPレコードの時代から発売されていた。

1924年大正13年)4月[19]、ニッポノホン(現:日本コロムビア)が『正チャンの冒険』を原作としたドラマレコード「お伽絵噺・正ちゃんの冒険(オホサカユキ)」を発売する[20]

1930年代には当時非音楽盤も第2の主力としていた大日本雄辯會講談社レコード部門であるキングレコードが、『のらくろ』や『冒険ダン吉』といった同社の人気漫画原作としたドラマレコードをシリーズ化したうえで「漫画劇レコード」などと称して発売された。1951年からは同社(音羽グループのレコード会社)の子会社であり、これらの作品は、LPレコードやCDで復刻されたものもある。

出典

  1. ^ a b 「空想美少女用語辞典」『空想美少女大百科 電脳萌え萌え美少女大集合!』宝島社別冊宝島〉、1999年1月3日、245頁。ISBN 4-7966-9421-8 
  2. ^ 12人の女性が参加する「チューCD」発売へ-1チュー1円 アキバ経済新聞 2008年7月8日
  3. ^ 「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」発売 アキバ経済新聞 2008年7月23日
  4. ^ 声優にセリフやシチュエーションを指定してオリジナル「萌えボイス」をオーダーできる「萌ごえっ!」 MarkeZine 2008年8月1日
  5. ^ みみもと ラブプラス コナミ
  6. ^ a b ラブプラス紳士淑女の必携アイテム。「ラブプラス+」,彼女のイラストがデザインされた特製DSi LL同梱版を数量限定で販売 4Gamer.net 2010年6月2日
  7. ^ 『ルーンファクトリー4』先着購入特典CDの出演キャストと内容が判明 ファミ通 2012年5月11日
  8. ^ 『超次次元ゲイム ネプテューヌリバース1 ファミ通DXパック』がエビテンにて予約受付中 ファミ通 2013年9月13日
  9. ^ a b c d 二次元の女の子と一緒にフィニッシュできる快感。一緒に運動「あにトレ!EX」 エキサイト 2015年11月9日
  10. ^ 筋トレ応援ゲーム ねんしょう! CyberZ 2019年2月5日
  11. ^ NRプロ、「チューDVD」発売へ-メード、女子高生、ナースらがキス140回 2010.03.12
  12. ^ 5人の妹が“おにいちゃん”を連呼する「おにいちゃんDVD」に激萌え KADOKAWA 2010年11月10日
  13. ^ 燃焼系アニメ『あにトレ! EX』の続編『あにトレ!! XX』、10月より放送決定 マイナビ 2016年7月29日
  14. ^ a b ねんしょう! アプリゲット
  15. ^ 話題の燃焼系TVアニメ『あにトレ!EX』がスマホアプリに!5人の女の子たちと一緒に楽しくトレーニングが楽しめる! アニメイト 2016年3月22日
  16. ^ レム版のリリースに引き続きスマホ向けVRアプリ「VRでエミリアと異世界生活」が2017年6月9日に配信決定 - ラノベニュースオンライン Days 2017年5月29日
  17. ^ Gugenka、xRアプリ「HoloModels」の新機能「ボイス」の個別販売を開始 第一弾は「上野さんは不器用」の「上野(CV.芹澤 優さん)」に gamebiz 2019年3月24日
  18. ^ 『オルガル2』“ASMR”や“VR添い寝”を先行体験。美少女の添い寝にドキドキが止まらない!? 電撃オンライン 2020年07月17日
  19. ^ 『ニッポノホンげっぽう』大正十三年四月号、日本蓄音機商会、2頁。
  20. ^ 『ニッポノホンげっぽう』大正十三年四月号、日本蓄音機商会、14頁。

脚注

  1. ^ なお、この『みみもと ラブプラス』は耳かきボイスの初期の例となっている。

関連項目


シチュエーションCD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 00:08 UTC 版)

白熊寛嗣」の記事における「シチュエーションCD」の解説

僕に決めた清人テリトリー。(那須野修三)

※この「シチュエーションCD」の解説は、「白熊寛嗣」の解説の一部です。
「シチュエーションCD」を含む「白熊寛嗣」の記事については、「白熊寛嗣」の概要を参照ください。

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