シェイクスピア風ソネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:15 UTC 版)
「ソネット」の記事における「シェイクスピア風ソネット」の解説
ところでイタリア風ソネットの導入後まもなく、イングランドの詩人たちは完全にネイティヴな形式への発展をしはじめた。その詩人たちとは、サー・フィリップ・シドニー、マイケル・ドレイトン、サミュエル・ダニエル、サリー伯の甥にあたるオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアー、それにシェイクスピアなどである。この詩形はシェイクスピア風ソネットまたはシェイクスピア風十四行詩(Shakespearean sonnet)と呼ばれるが、シェイクスピアが最初にこの形式を作ったからではなく、シェイクスピアが有名な使い手だったからである。この詩形は3つの四行連と1つの二行連から成り立っている。三番目の四行連は一般に、予想できない急激なテーマの、あるいは、イマジスティックな「ターン(volta)」を提示する。一般的な押韻構成は「a-b-a-b, c-d-c-d, e-f-e-f, g-g」である。くわえて、弱強五歩格で書かれている。これは1行に10、もしくは11か9の音節があり、音節は1つおきにアクセントが弱く・強くなる(アイアンブ参照)。ソネットは14行でなければならず、最後の2行は(例外があるかも知れないが)押韻された結末を持っている。シェイクスピアのソネットでは、二行連は普通詩のテーマを簡潔に述べるか、あるいは、そのテーマに新鮮な見方を提示する。 Let me not to the marriage of true minds (a) Admit impediments, love is not love (b) Which alters when it alteration finds, (a) Or bends with the remover to remove. (b) O no, it is an ever fixed mark (c) That looks on tempests and is never shaken; (d) It is the star to every wand'ring bark, (c) Whose worth's unknown although his height be taken. (d) Love's not time's fool, though rosy lips and cheeks (e) Within his bending sickle's compass come, (f) Love alters not with his brief hours and weeks, (e) But bears it out even to the edge of doom: (f) If this be error and upon me proved, (g) I never writ, nor no man ever loved. (g) -- シェイクスピア『ソネット集』116番
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