オネーギン・スタンザ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:15 UTC 版)
オネーギン・スタンザ、オネーギン連(Onegin stanza)またはPushkin sonnetは、アレクサンドル・プーシキンが『エヴゲーニイ・オネーギン』で発明した詩形。『エヴゲーニイ・オネーギン』は小説だが、弱強四歩格の韻文で(ほとんど)書かれている。押韻構成は「aBaBccDDeFFeGG」で、小文字の部分は女性韻、大文字の部分は男性韻を示している。 イタリア風ソネット(ペトラルカ風ソネット)やシェイクスピア風ソネットのような伝統的詩形と違って、オネーギン・スタンザは四行連や二行連に細かくはっきりと分けることはできない。分割の方法はさまざまである。たとえば最初の4行は、四行連になることもあれば、続く2行を合わせて六行連になることもある。この柔軟性は作者に、決まった押韻構成によりもたらされる統一感を維持しつつも、意味上のセクションをソネットからソネットにどう分けるかを変更する自由をこれまで以上に与える。さらに弱強四歩格で書くことは、ソネットで多く使われている弱強五歩格以上の強い動感をスタンザに与える。 ジョン・ストールワージー(en:Jon Stallworthy)の『The Nutcracker』(1987年)や、ヴィクラム・セート(en:Vikram Seth)の小説『The Golden Gate』(1986年、en:The Golden Gate (novel))はオネーギン・スタンザを全面的に使って書かれている。
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