サティーの宗教儀式性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 13:49 UTC 版)
「サティー (ヒンドゥー教)」の記事における「サティーの宗教儀式性」の解説
ヒンドゥーでは死者は、薪の山に乗せ、会葬者の前で火葬にふす。死は穢れであり、火が死者を天に昇らせる唯一の方法とされるからである。その人の生前の行いの結果(カルマ、業)により、転生後の新たな生がもたらされる。変死したもの、葬式を行わなかったものの霊は地上に止まり、悪霊(ブータ)、亡霊(プレータ)として人に災いをもたらすと信じられている。灰は体の燃え残りとして川に流され、シンガポールやバリ島の一部地域を除いて墓は作られない。 サティーの儀式は、こうした夫の葬儀の儀式の後に行われる。サティーの儀式の最後には、夫の葬儀で用いた石を供養する「石の礼拝」(シラー・プージャナ)を行う。これらが終わった後で、寡婦は炎に包まれる。中世において、サティーはその家族の宗教的な罪科を滅する功徳ともされていたが、必ずしも自発的なものではなく、生活の苦難さによるもの、あるいは親族の強要によるもの、さらには、薬物を利用したものもみられた。バリ島では、サティーの犠牲者と見られる魔女ランダの説話が残されている。
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