サイクルの基本動作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 06:33 UTC 版)
「蒸気圧縮冷凍サイクル」の記事における「サイクルの基本動作」の解説
図1.蒸気圧縮冷凍機の構成 図2.蒸気圧縮冷凍サイクルの P-v 線図 このサイクルを用いる冷凍機は、図1のように圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器で構成され、この順に循環する。圧縮機-凝縮器の間に油分離器、凝縮器-膨張弁間に受液器(アンモニア冷凍機の場合は液溜め)などの補助機器が入る場合もある。 この間の冷媒の状態変化を単純化して下表および P-v 線図上(図2)に示す。 蒸気圧縮冷凍サイクルの状態変化装置理想化した状態変化1→2 圧縮機 断熱(等エントロピー)圧縮 2→3 凝縮器 等圧冷却(凝縮) 3→4 膨張弁 断熱絞り(等エンタルピー膨張) 4→1 蒸発器 等圧加熱(蒸発) 圧縮機入口1は飽和蒸気(または過熱蒸気)であり、圧縮機出口2は過熱蒸気となる(フロン系冷媒では過熱度は小さい)。凝縮器では、飽和液(またはサブクール液)3まで冷却される。膨張弁はニードル弁形の自動膨張弁か、簡単なものでは毛細管であり、不可逆の絞り変化を行い、減圧により一部の液が蒸発して温度が低下し、湿り蒸気(図の例ではかわき度 38.3 %)となる。蒸発器で残りの液が蒸発して周りから吸熱し、圧縮機入口へ戻る。 以上のサイクルを T-s 線図および P-h 線図に描きなおしたものを下図に示す。 図3.蒸気圧縮冷凍サイクルの T-s 線図 図4.蒸気圧縮冷凍サイクルの P-h 線図 圧力比(凝縮器圧力と蒸発器圧力の比)が7程度以下であれば、上記のような1段圧縮のサイクルが用いられるが、それ以上の圧力比では多段圧縮サイクル(各圧力比は5程度以下)とする。多段の場合は、所要動力を節約するために圧縮機中間冷却、多段絞り等の種々の工夫したサイクルが用いられる。
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