コンパクト性定理と完全性定理の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 04:57 UTC 版)
「モデル理論」の記事における「コンパクト性定理と完全性定理の使用」の解説
ゲーデルの完全性定理は、ある理論が無矛盾である、すなわちその理論によって矛盾が生じない場合だけ、その理論はモデルを持つこと述べている。これはモデル理論の核心であり、モデルを見ることで理論についての疑問に答えることができ、逆も同様である。理論の完全性を完全理論(英語版)と混同しないこと。 コンパクト性定理は、もし文S のすべての有限部分集合が充足可能なら文S の集合は充足可能であることを述べている。証明論の文脈においては、すべての証明が持つことのできる証明において用いられる前件(英語版)の数は有限なので、類似の言明は自明である。モデル理論の文脈では、しかしながら、この証明はより困難となる。この証明には二つのよく知られたものがある。一つはゲーデルによるもの(複数の証明を経由して行われた)で、もう一つがマルチェフ(英語版)によるもの(これはより直接的で結果として生じるモデルの濃度を制限することができる)である。 モデル理論は通常、一階述語論理と結びついており、(完全性やコンパクト性のような)多くの重要な結果は二階述語論理や他の代わりの理論では成り立たない。一階述語論理では、すべての無限濃度は可算である言語にとっては同じに見える。これはレーヴェンハイム-スコーレムの定理において次のように表現されている。無限モデル A {\displaystyle {\mathfrak {A}}} (少なくともその言語の無限モデル)を持つ全ての可算理論は、全ての文において A {\displaystyle {\mathfrak {A}}} と一致する全ての無限濃度のモデルを持つ、すなわちそれらは'初等同値(英語版)'である。
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