コウジ酸による発癌の可能性と安全性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:15 UTC 版)
「コウジカビ」の記事における「コウジ酸による発癌の可能性と安全性」の解説
コウジ酸は麹菌がグルコース等の糖を発酵させることによって生成されることが知られているが、その詳しい生合成経路は不明である。メラノサイトに作用し、チロシナーゼの活性や合成を阻害し、メラニンの生成を抑えるという活性を持つ。日本では美白化粧品(医薬部外品)の有効成分として使用されていたが、動物実験で肝癌を引き起こす可能性を示唆する報告がなされたため、2003年3月厚生労働省の通達により医薬部外品(薬用化粧品)への使用が一旦中止された。なお、マウスにおいても、ラットにおいても肝臓への影響は高い用量(1-3%混餌投与)でみられた知見である。 その後、化粧品メーカーがコウジ酸の安全性を確認する追加試験を実施し、コウジ酸の化粧品としての使用は安全性上なんら問題がないことを証明した。このため2005年11月2日、厚生労働省は薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会において「医薬部外品において適正に使用される場合にあっては、安全性に特段の懸念はないものと考えられる。」との見解を発表した。これに伴い前述の使用中止の通知が撤回されたと同時に、コウジ酸配合化粧品(医薬部外品)の製造販売の再開が認められた。
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